スタッフブログ
便秘エコー検査について
2024-11-05
一般的にエコー検査といえば、みなさんは肝臓や胆嚢、すい臓などの臓器を観察する検査、あるいは産婦人科の場合だと胎児の状態を観察する検査といったことが初めに思い浮かぶかと思います。
当院は大腸肛門を専門とする病院であり、特に大腸がんや腸炎のほか、炎症性腸疾患の病変を評価する消化管エコー検査に力を注いできました。その中で、今回は便秘や排便困難症状を有する方を対象にエコーで評価を行う「便秘エコー」と呼ばれる検査についてご紹介したいと思います。
便秘エコーでは、直腸から上行結腸まですべての大腸において便の貯留具合を観察します。
超音波には、硬い組織(結石や骨など)を通過せずに強く反射する特徴があります。この特徴を利用し、溜まっている便の性状を評価します。下図のように、便の表面が三日月状に白く描出され、便の下側は黒くなっているのが分かります。これは、“音響陰影”と呼ばれる所見の一つで、硬い組織を観察する際に超音波がその表面で反射されることにより、組織より下に超音波が伝わらず起こる特徴的所見です。これより、下図に示す便は胆石や腎結石のように硬い組織であること、すなわち“硬便”であることが予想されます。このように、便性状を把握することで摘便や浣腸、下剤などの追加処置へとつながります。
↑ 直腸に描出される便貯留。表面は三日月状に白く描出され(⇩)、便の下側は黒くなっている。
検査は10~15分程度であり、放射線による被ばくもなく繰り返し可能です。また、普通のエコー検査同様に肝臓や胆嚢、すい臓などの臓器も検査内で観察いたします。幼稚園や小学生など小児から高齢の方まで幅広く検査行っていますので、便秘や排便困難でお困りの方は一度当院の大腸肛門機能科を受診されてみてください。
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