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「大腸がんにならないぞSP」ためしてガッテン!10月26日放送に???
2016-11-03
肛門科医師、中村です。今回は肛門のお話ではないのですけど気になったので。
我が家でもよく見ている某国民放送の人気番組「ためしてガッテン!」
ここで10月26日放送されたテーマが
「大腸がんにならないぞSP」
だったので、大腸肛門病の専門医として、どんな事をいってるんだかと見てみました。
【大腸内視鏡検査で便秘がスッキリ解消!】
うん、まあ、これはあるかもね。内視鏡前処置の腸管洗浄液の内服によって宿便がすっきりでますから。まあ、よし。
【青い液体でがんにならない!】(???)
問題がここ。内視鏡検査で青い液体(青色2号と番組内で紹介)をかけて、
「これで大腸がんになることはない!!」
と、言い切る先生。
ポリープの写真も、「がん」といって出ていた写真は(病理診断すれば、がんがでるかもしれませんが)普通にIpポリープ(腺腫)に見えますし、典型的な「がん」というにはちょっとインパクト弱い。
最悪なのが、あたかも、
「青い液体かければ(飲めば)、がんになりません」
と、言っているように受け取られてもおかしくない編集。
実際、放送後に当院で内視鏡検査を受けた患者さんで、そのように言っている患者さんもいらっしゃいまして、これは多いによろしくないなと思った次第です。
番組をちゃんと見ていれば、
「ポリープをみつけて色素をかけて、ポリープが腺腫なのか過形成性ポリープなのかを区別して、腺腫を治療すれば、がんになるリスクを下げますよ」
という事なんですけど、番組の編集が誤解を与えている。
その後の
【大腸がん検診(検便)の検体を冷蔵庫保存】
【大腸内視鏡検査で目を閉じると腸の緊張がとれて挿入しやすくなる】
あたりはよかった。
テレビの健康番組、特にNHKの「きょうの健康」とかは、かなりきっちり取材して作られていたのを大学時代にうちの医局の教授が出たときに見ておりましたが、今回の放送は「ガッテン!」とはいかない?!と思っちゃいました。
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