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疾患情報

大腸肛門機能科

排便障害(便秘・便もれ)

直腸性便秘の治療について
4月にNHKの『ためしてガッテン』という番組で、ス-パ-便秘という直腸性の便秘についての特集が放送されました。

直腸性便秘は、便が肛門近くまで下りてきているのに力めば力むほど出せないという症状があります。

便秘でお悩みの方は、ご相談ください。

便秘の検査は、画像検査などで大腸癌や炎症などの病気を除外して行います。
便秘は主に結腸性と直腸性に分類されます。



まずは、腸管輸送能検査を行い、マ-カ-が結腸を通過する時間が長いか正常かによって、結腸性か直腸性の便秘なのか調べます。

経口バリウム
(↑ ※1経口バリウム検査にリンク)


① 結腸性便秘について
 
結腸性便秘の治療は基本的な生活療法となります。
食事療法、運動療法など 生活習慣の見直しを行いながら緩下剤などで薬物療法を行っていきます。

② 直腸性の便秘について
   直腸性便秘が疑われる場合、、詳しく検査をして治療を選択します。

 

検査の種類

内 容

画像診断(ディフェコグラフィ-) 排便時の直腸や肛門の動きをX線で見ます。
肛門内圧検査             
肛門筋電図検査
肛門を動かす括約筋の力を測定します。
直腸感覚検査 排便に関する感覚(便意を催す量や排便を我慢できる量)を
                   測定します。
排出能力検査 バル-ンを使って排出(排便)する時のいきみ方が正しいか                    と、排出できる量を検査します。
排出圧検査  いきんで便を出すときに必要な“腹圧をかけること”と“肛門の弛緩”が出来ているかを検査します。
これらの検査の結果から治療法を選択します。

  基本的には、結腸性便秘と同じ、食事療法・運動療法など 生活習慣の見直しを行いながら緩下剤などの薬物療法を行っていきます※2


(↑ ※2下剤にリンク)


それに加えて、直腸肛門機能回復訓練という有効な治療法があります。

訓練の内容な以下の通りです。

訓練の種類

目 的

適 応

①排出訓練 いきみ方を練習し、いきむ力を強くする。 いきむ力が低下している。
又はいきみ方に問題がある。
②バイオフィ-ドバック訓練 肛門の動きを良くする。 肛門を動かす力が弱かったり、うまく動かせない。
③排便感覚訓練 直腸の感覚を鈍化させ、過敏症状を改善する。 直腸が過敏で便意が頻回にある。


訓練の内容を詳しく説明します。
 ①排出訓練  
直腸の中にバル-ンを入れ、空気を注入して膨らませ、擬似的に便を作ります。これをいきんで排出する訓練です。

上手に排便するポイントとして、
①腹圧(腹筋)をかけることと、
②肛門を上手に弛緩させることがあります。


長年の排便習慣でいきみ方が変わってきて、肛門の弛緩ができなかったり、逆に締めてしまう方もいます。
また、排便の姿勢が悪く腹圧がかかりにくくて排便できない方もいます。
訓練では、腹圧のかけ方、肛門の弛緩の方法、排便姿勢を含めて指導します。
② バイオフィ-ドバック訓練


③ 排便感覚訓練
 
直腸内のにバル-ンに空気を入れて膨らませて便意を我慢して感覚を鈍感化させます。

繰り返し行うと、次第に過敏症状が軽減します。


■便秘で十年来悩んでこられた方が、これらの訓練で症状が改善された症例をご紹介します。

70才代のAさん男性
*********************
肛門のすぐそこまで便がきているのに排便が出来ず、直径数ミリ大の細い便を10分~20分かけて出しておられ、

種々の検査の結果、直腸性便秘を診断されました。

非常に悩んでおられ、思い切って入院して集中的に治療をされました。

入院中は、バル-ンを使用した排出訓練、バイオフィ-ドバック訓練、リハビリ(腹筋を鍛える運動療法や

電気治療)を中心に訓練に励まれ、退院時には、5分以内に直径2cmの便がスム-ズに排出できるように

なりました。


便秘で長年悩まれている方、自分で判断して市販の下剤に頼っている方。

一度診察を受けて、自分の便秘が結腸性なのか、直腸性なのか調べて、適正な薬を選択しましょう!

また、直腸性便秘と診断されたら、訓練を行ってみましょう!

上手に息む方法、肛門を締める方法を習得し、長年悩んでこられた便秘が治るように一緒に頑張りましょう!
                                               
                           (検査科)




便秘でお悩みの方は「重症便秘外来」でご相談下さい。