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疾患情報

大腸肛門機能科

神経因性骨盤臓器症候群(NIS)

神経因性骨盤臓器症候群(NIS)の5徴

神経因性骨盤臓器症候群(NIS)では、多くの場合、5つの症候のいくつかが組合わさって出現しています。症候が組合わさって出現するところは例えるなら感冒に似ています。
各症候単独の疾患との鑑別には、「仙骨神経に沿った圧痛ある硬結」を認めるものとしています。
1.肛門痛
肛門の鈍い痛みで、長く座るのがつらい
肛門疾患(痔瘻・痔核・裂肛等)の痛みとは異なる痛みがある
仙骨の左右で仙骨神経に沿って痛みを伴うしこりがあります。
指診でこの神経を圧迫すると普段感じている痛みと合致します。


2.括約不全(肛門の動きの異常)
便やガスがもれる/下着が汚れる
第2・3・4仙骨神経が合わさって会陰に至っています。この神経は肛門の部分では肛門を開閉する括約筋の運動と肛門の感覚を支配し、前方では外尿道等の運動と感覚を支配しています。この神経が障害されると、肛門の運動や感覚の障害、すなわち「しまりが悪くなり便やガスがもれたり、反対に拡がりが悪く便が出にくくなった等、肛門の運動や感覚の障害が現れます。」


3.排便障害
便が出にくい/便が残った感じがする
排便は直腸や肛門の運動や感覚の働きによって起こります。第2・3・4仙骨から出ている骨盤内臓神経は、直腸の感覚や運動を支配しています。この神経に異常が起こると、直腸の動きが妨げられ、排便が困難になります。また、排尿障害を起こします。


4.腹部症状(結腸機能障害)
腹痛/腹満感
上記の直腸・肛門の感覚と運動の障害のため直腸まで降りてきた便が出ないと、それより上方の結腸が便を出そうとして収縮します。これによってかえって便が出にくくなります。これには交感神経の関与も考えられます。
過敏性腸症候群(IBS)に似た腹痛や腹満といった症状が現れます。


5.腰痛(腰椎の異常からくる症状)
腰痛/下肢のしびれなど
腰椎の骨や軟骨その他の組織の変性により、腰痛のみでなく仙骨神経障害をも伴う場合があります。

この症候群は以下のように種々の症状の組み合わせで現れます。