1.化学療法とは
一般的に抗がん剤を使用する治療の事をがん化学療法と言います。
化学療法には、根治手術の再発予防を目的として行う補助化学療法と、根治手術ができない場合や再発した場合に行う化学療法があります。
従来より、大腸がんの薬物療法には抗がん剤が使用されていましたが、最近は分子標的薬剤といった、新しい薬剤によるがん治療もおこなわれています。
●治療目的による化学療法の分類
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(1)術前補助化学療法
手術前に抗がん剤を投与し、ある程度がんが縮小した上で摘出手術を行うことを目的とします。
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(2)術後補助化学療法
手術でがんを取りきれた後、術後リンパ節転移の可能性があった場合など、再発する可能性が一定以上ある症例に対して、再発予防を目的として抗がん剤を投与します。
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(3)高度進行がんや再発がんに対する化学療法
切除が出来ない転移がんや再発がんを対象とした化学療法で、内服や静脈注射による全身化学療法、肝転移に対する肝動脈注入療法、腹膜播種に対する腹腔内注入療法等があります。
●化学療法に使用される薬剤
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(1)殺細胞性抗がん剤
細胞中のDNAを標的として細胞を障害するもの


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(3)免疫チェックポイント阻害薬

大腸がんに有効な抗がん剤はいくつかあり、当院では薬剤の単独投与または、いくつかを組み合わせた投与が行われています。
●投与法による化学療法の分類
2.当院で行っている化学療法の基本的なレジメン
上記レジメンと分子標的薬を組み合わせることで治療効果を高めることが期待できます
mFOLFOX6の場合
- ①吐き気止めの薬を約30分間かけて点滴
- ②オキサリプラチンとレボホリナートを同時に約2時間かけて点滴
- ③フルオロウラシルの急速静注(約3分間)
- ④約46時間のフルオロウラシルの持続点滴
FOLFIRIの場合
- ①吐き気止めの薬を約30分間かけて点滴
- ②イリノテカンとレボホリナートを同時に約2時間かけて点滴
- ③フルオロウラシルの急速静注(約3分間)
- ④約46時間のフルオロウラシルの持続点滴
CAPOXの場合
- ①吐き気止めの薬を約30分間かけて点滴
- ②オキサリプラチンを約2時間かけて点滴
- ③その後自宅にてカペシタビンの服用(2週間)
3.化学療法と副作用
抗がん剤と聞くと「副作用が怖い」というイメージを持たれる方が多いようですが、がん細胞を殺す目的で用いる薬剤が正常な細胞にまで影響を与えることで副作用が生じます。
一般的に抗がん剤の副作用として次のような症状があらわれることがあります。
使用する薬によってこれら以外の副作用があらわれることがあります。
- ◆ 消化器症状:食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、便秘、口内炎、腹痛
- ◆ 骨髄機能抑制:白血球減少、赤血球減少、血小板減少
- ◆ 神経症状:しびれ、味覚異常
- ◆ 皮膚症状:色素沈着、発疹、手掌紅斑、皮疹、落屑、脱毛
- ◆ 眼症状:流涙、眼充血
- ◆ その他:発熱、倦怠感、頭重感、尿量減少
これらの副作用は抗がん剤の投与を中止すれば治りますが、抗がん剤の投与に当たっては、予想される副作用に対する予防を行うと共に、定期的な血液検査や自覚症状の観察などで、副作用と抗がん剤の効果とのバランスをとって治療を行っていきます。
それでも、副作用が大きい場合には、投与用法を変更したり、治療を延期したり中止したりする場合もあります。