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疾患情報

消化器外科

大腸がん

大腸がん発見のプロセス

 

あなたは大丈夫ですか?思いあたる症状はありませんか?

 

早期発見・早期治療は、がん治療のポイントです。大腸がんの症状には、肛門からの出血や便秘などがあり、痔や単純な便秘と自己判断して放置してしまうことにより、がんが悪化する事がしばしばあります。当院の外来診療においても、便秘や痔で来院された方が、実は大腸がんであったというケースが度々あります。また、職場や地域の検診等がきっかけで大腸がんが判明するケースもあります。
ここでは、当院でよくある大腸がん発見のプロセス(過程)について実例を示しながら紹介します。気になる症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。


 

1.自覚症状による発見

大腸がんの初期症状を理解することが、早期発見につながります。
ここでは、大腸がんの主な自覚症状を紹介します。

1.便秘
大腸に大きいポリープやがんができることで腸管が狭くなり、便の通過が悪くなります。便が細くなったり、出にくくなている場合には、大腸がんも視野に入れて診断を行います。当院では、便秘の治療の際にほとんど全員の方にS状結腸内視鏡検査をお勧めしています。
検査の結果から、大腸がんなどの病気が否定された場合には、必要に応じて便秘の検査と治療を行います。

【症例】
60代女性10日ほど排便が無く、下剤を服用していたが便が出なかった。便秘を主訴(主な訴え)として来院され、直腸がんと診断。
開腹手術(高位前方切除術)を行い術後の経過は良好。術後補助化学療法を行い、退院。

 

全結腸内視鏡画像

全結腸内視鏡画像


2.出血
大腸がんからの出血が原因で、排便時に出血がある、または便に血が混じるなどの症状がしばしば起こります。
便の周りに血がついてきたら要注意です。はじめのうちの出血はごく少なく、気がつかない程度なので、毎日の便を観察することが大切です。
直腸がんの出血の場合には、便に赤黒く血が付着していたり、粘血便がみられたりすることがあります。結腸がんの出血は、便が黒っぽくなります。
このような症状は、一般的に痔の症状と思われることが多く、“診察が恥ずかしい“、といった理由からついつい病院に行きそびれ、がんが進行してしまうことがあります。痔からの出血は、肛門部からの出血で、排便時など色の鮮やかな血(鮮血)がぽたぽた落ちたり、排便時に痛みがあります。一方で、肛門がんは、肛門部のしこり、出血、痛みなどの症状が現れ非常に痔と間違えやすいがんです。いずれにしても、専門医の適切な診断が必要です。

【症例】
40代男性 6ヶ月ほど前より排便時に出血と肛門痛があり、痔を疑って当院に来院し、直腸癌と診断された。腫瘍マーカーは正常範囲内であった。開腹手術(腹会陰式直腸切断術)を行い人工肛門を作成したが、術後の経過は良好。術後補助化学療法を開始し、特に副作用もなく退院。

全結腸内視鏡画像 全結腸内視鏡画像

全結腸内視鏡画像



2.検診による発見
    
職場や地域の検診がきっかけで、大腸がんが発見されることがあります。検診の内容は、施設(病院や人間ドックなど)により異なりますので受診の際はご確認ください。

特に女性は診察が恥ずかしい、といった理由から治療が遅れてしまうことがあります。
当院では、大腸肛門疾患のための女性専用外来を開設し、より良い医療を提供したいと考えています。