検査情報
CT検査
大腸がん、ポリープに関する検査 –CT colonography検査-
大腸肛門病の専門病院という立場から、全国でも早い段階で大腸CT検査(CTコロノグラフィー:CTC)を開始しています。大腸内視鏡検査は恥ずかしい、痛い、前処置が大変などの理由で検査を避けられる方が多くいらっしゃいます。当科では「精度が高く、より負担の少ない大腸検査」をスローガンに、CT検査による大腸ポリープの診断に取り組んで参りました。2012年の診療報酬改定により、CTによる大腸検査の保険適応が認められたことをきっかけに徐々に検査数も増加し、大腸がんの術前検査から人間ドックなど一般の受診者を対象としたスクリーニング検査まで幅広く実施しており、現在では年間600件近くの大腸CT検査を行っています。
検査の精度向上および負担軽減の観点から当科では様々な取り組みも行っています。2016年9月より薬事承認された大腸CT用経口造影剤(コロンフォート内容懸濁液25%)を混在した前処置法を開始しています。これにより、大腸から排出されず残った便とポリープとの判別を可能とします。また、2024年4月より3D画像解析システム”SYNAPSE VINCENT”を導入しています。当機器には、大腸ポリープを自動抽出するAI技術が新たに搭載されており検査精度の向上に大きく寄与しています。このように、検査前処置から画像解析に至るまで多方面から大腸CT検査に改良を重ねることが、大腸がん撲滅につながると願い日々取り組んでいます。
大腸CT検査(CT colonogaraphy)による画像
〔症例1〕 直腸癌 2型 、ポリープ多発
また、大腸癌における腹腔鏡下手術においても、安全かつ迅速に遂行できるように大腸、動脈、静脈などを術前にイメージできるように手術支援画像を提供しています。
〔症例2〕手術支援画像 上行結腸癌、上腸間膜動静脈を描出