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消化器外科

大腸の検査と病気の種類

大腸の検査と病気の種類

大腸の解剖
大腸はおよそ1.5メートルほどの長さがあり、大きく盲腸結腸直腸の3部分から成り肛門へと続きます。
結腸はその走行に従って、上行結腸横行結腸下行結腸S状結腸に分けられています。また大腸にはいくつかの強い屈曲部があり、上行結腸と横行結腸の間を右結腸曲(肝彎曲)、横行結腸と下行結腸の間を左結腸曲(脾彎曲)、下行結腸とS状結腸の間をS状結腸-下行結腸曲(S-D屈曲部)、S状結腸と直腸の間を直腸-S状結腸曲と呼びます。上行結腸と下行結腸は背中側に固定されていますが、横行結腸とS状結腸はお腹の中でブラブラした状態で存在し、その長さや走行は個人差があります。
大腸はその名の通り小腸より径が大きいのですが、特に盲腸と直腸で太くなっており便をためることができるようになっています。また結腸紐という3本の線維の筋が縦に走っていること、ハウストラと呼ばれる膨らみがたくさんあることが大腸の特徴です。小腸と大腸の境には回盲弁(バウヒン弁)という弁があり、小腸から大腸には内容物が通りますが、逆流はできない仕組みになっています。

 
 
検 査
肛門の診察で来られた方にも大腸のうち最もがんやポリープが出来やすいと言われているS状結腸まで内視鏡を使って検査をします。肛門と大腸には密接な関係があり、大腸の病気から肛門の病気が現れることやまた、その逆もあるからです。


大腸を調べるための主な検査をご紹介します。

1)S状結腸内視鏡検査
大腸の検査としては最も基本となる検査です。肛門からS状結腸までの約50センチの部位を内視鏡で見る検査です。大腸ポリープやがんの場合、80%がここに発生しています。
前日や当日の食事の制限がなく、来院されて浣腸をするだけで検査ができます。

内視鏡 スコープ スコープ先端


2)全大腸内視鏡検査
肛門から大腸の一番奥の盲腸までを内視鏡で見る検査です。
前日からの食事制限やお薬を服用していただくなど準備が必要です。
検査の当日は病院で水様の下剤を服用していただき、大腸全体をきれいにします。

※精密検査のため予約が必要です。


3)注腸X線検査
大腸全体を撮影するX線検査です。
検査前日からの食事の制限(検査食)やお薬の服用があります。

※精密検査のため予約が必要です。


 
大腸の病気
 

・大腸ポリープ
  大腸の粘膜からの隆起、すなわちイボ状のものが生じたものをポリープといいます。初めはごく小さいあわ粒くらいの大きさですが、次第に大きくなっていきます。
形は有茎と無茎のものがあり、扁平に近い隆起もポリープとよばれます。隆起の原因が粘膜上皮の増殖によるものであれ、粘膜下腫瘍によるものであれ、周囲粘膜から隆起しているものすべてポリープと診断されます。大腸ポリープはS字結腸から直腸にかけてできやすく、大きくなるにつれてがん化する率が高くなります。大腸内視鏡でたいていのポリープは取ることができます。
多数のポリープが発生したものを大腸ポリポージスといいます。


・ 大腸腫瘍
  ポリープがさらに大きくなってガンの状態に近くなったものをいいます。

 

・過敏性腸症候群
  過敏性腸症候群(IBS)は、腸の緊張ならびにけいれん性の病気といわれ、症状としては、便通異常(便秘、下痢、便秘下痢交替)、腹痛や腹部の不快感(何となく気持ちが悪い)、ガス症状(腹鳴、腹部膨満、放屁、ゲップ)などさまざまあります。
症状によって便秘型・下痢型・便秘下痢交替型に分類されています。

 

・大腸憩室症
  大腸粘膜が腸管壁を貫いて外側に突出し、袋状になった状態を言います。憩室は病理学的に腸壁の全層が外側に突出する真性憩室(先天性)と、固有筋層を欠く仮性憩室(後天性)に分けられます。また、真性憩室(先天性)は、右側型(盲腸から上行結腸)に、仮性憩室(後天性)は左側型(下行結腸からS字状結腸)に見られます。昔は日本人には、憩室がある人がすくなく、あっても真性憩室(先天性)がほとんどで、もともとは左側型が主流を占める欧米人に多い疾患です。しかし、日本人の食生活の欧米化さらに高齢化に伴い大腸憩室は、左側型の欧米人と同じ大腸憩室をもった人が増加してきているのが最近の特徴です。

 

・潰瘍性大腸炎
  下痢、血便、腹痛を主な症状とし、大腸の粘膜に炎症がおこり、潰瘍ができる炎症性腸疾患です。炎症は直腸から拡がり、大腸全体におよぶ場合もあります。
患者数は、全国で推定10万人弱と言われており、年々増加の傾向がみられます。また、発病年齢のピークは20~24歳ですが、子どもから老人にまで発病する病気で、男性と女性の患者数はほぼ同数です。この病気は原因が分からないことから、特定疾患(難病)に指定されており、現在のところ完全に治るという治療法は確立されていません。

 

・ 直腸炎
  直腸の粘膜に炎症が生じたもの。潰瘍性大腸炎に比べると治りやすい。

 

・クローン病
  クローン病は、主として若年者に発生する原因不明の腸疾患で、特定疾患に指定されており、潰瘍性大腸炎とともに炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)と呼ばれています。
消化管の粘膜に潰瘍ができ、外側の漿膜にいたるまでの消化管壁の全層が侵される病気です。症状は、腸に潰瘍ができるために見られるものと、全身の免疫反応の結果として見られるものとがあります。腸の病変による症状としては、腹痛、下痢、発熱で、その他に体重減少、貧血、腸閉塞症状、腹部腫瘤、瘻孔などがみられます。この病気は、1932年に最初に報告をした医師、バーリル・B・クローン博士の名にちなんで名付けられた病気で、当時は回腸だけが侵される疾患と考えられていました。しかしその後の研究で口腔から肛門まで、消化管のあらゆる部位に病変が起こることが分かってきました。
原因は現在でもまだ不明で、これまで細菌感染説、ウィルス感染説、免疫異常説、遺伝的要因などがいわれていますが、はっきりしていません。