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がん登録事業

「がん登録」は、がんの診断、治療、経過などに関する情報を集め、保管、整理、解析する仕組みのことです。毎年どのくらいの人ががんで亡くなっているか(死亡数)、毎年どのくらいの数のがんが新たに診断されているか(罹患数)、がんと診断された人がその後どのくらいの割合で生存しているか(生存率)、といったがんの統計情報は、国や地域のがん対策を立案したり評価したりするのにとても重要です。(国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』サイトより)。


以上のような日本のがん対策に基づいた登録事業と医学会が主体となり行っているがん登録事業があります。
当院では「全国がん登録」「院内がん登録」「臓器別がん登録」の3つのがん登録を行っています。

 

 

 全国がん登録 :「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、全国の医療機関はがんと診断された人のデータを都道府県に届け出ることが義務化されています。全国どこの医療機関でがんの診断を受けても情報は都道府県で集められ、国が集約し、集計・分析・管理され「がん対策」をすすめるために利用されます。
  国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』https://ganjoho.jp/reg_stat/can_reg/national/public/about.html
 熊本県のがん登録事業http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_2694.html

 院内がん登録 :がん診療拠点病院で診断・治療を受けられた全てのがんの患者さんの情報を診療科を問わず病院全体で集め、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。当院は2011年に熊本県指定がん診療連携拠点病院として指定を受けたことから、「がん対策基本法」に基づいてがん患者さんの診断から治療、および予後に関して調査・報告を行っています。
この調査を複数の病院が同じ方法で行うことで、その情報を比べることができるようになり、病院ごとの特徴や問題点が明らかになるものと期待されています。

 国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』https://ganjoho.jp/reg_stat/can_reg/hospital/about.html

 臓器別がん登録 :(大腸がん)学会・研究会が中心となって、所属する医師のいる比較的大きな病院から学会・研究会の中央事務局にデータを集約し、全国規模の登録を実施する仕組みです。
当院は、大腸癌研究会による全国大腸癌登録事業に参加しています。本登録の特徴は、「大腸癌取扱い規約」に則した詳細な臨床病理学的情報が予後情報とともに収集されることです。登録された情報は、診療の標準化のための「大腸癌治療ガイドライン」の情報改訂の資料として活用されています。
 大腸癌研究会『全国大腸癌登録事業』http://www.jsccr.jp/registration/index.html

 

個人情報の取扱い

がん登録より得た情報は、国の「個人情報保護法」及び当院の「個人情報取扱規定」を遵守し、適切に保護・管理しております。がん登録情報整備のためにがん登録の趣旨をご理解の上、ご協力をお願いいたします。

予後情報の調査

がん情報の登録については患者さんが継続した治療を行っているか等の予後も重要な情報となりますので、ご協力をお願いいたします。患者様には手術前に情報提供の同意をいただいておりますが、同意を希望されない場合でも診療に関しての不利益は一切生じません。また、得られました情報に関しましては、個人情報保護法に則り、適切に管理保管いたします。

当院の院内がん登録データ(H30.1更新)

院内がん登録を2010年症例より開始し、2016年診断症例は215件を登録しました。2016年4月に発生した熊本地震により、ライフラインや建物の安全上の問題で診療を制限した影響により、前年よりも登録数が減少(前年比82.1%)しています。

  2012年診断症例
2013年診断症例

2014年診断症例
2015年診断症例 2016年診断症例
院内がん登録数 230件 222件 254件 262件 215件

 

診断年別・性別登録件数

性、年齢分布を見ると、男女共に30代から80代まで広く分布し、60代が最も多い。また、診断時の平均年齢は64.6歳(男性64.6歳、女性64.5歳)と2015年よりも上昇しました。

患者住所医療圏別登録の状況(2016年診断症例)

患者住所を医療圏別で比較すると、熊本市が87件(40.5%)と最も多く、次いで県北部地域(有明、鹿本、菊池、阿蘇)で62件(28.8%)と両地域で69.3%を占めています。熊本医療圏の内訳は、当院所在地である中央区30件(34.5%)に加え、近傍である東区28件(32.2%)が多い。また県外からの受診も25件(11.6%)あり、これは当院が大腸がん検診を行っており、その事業が県外に及ぶことに加え、肛門機能の温存を希望し、医師紹介により当院を受診されることが影響しているものと考えられます。

発見経緯 の内訳

発見経緯を見ると、大腸187件の内訳は自主受診を含むその他が87件(46.5%)と多く、次いでがん検診・健診・ドックが83件(44.4%)、他疾患経過観察中が9件(4.8%)でした。

大腸がんと肛門管がんの部位別病期分類(総合Stage)

大腸(直腸+結腸)がん187件のうち直腸の割合が87件(46.5%)と最も多く、これは、当院が大腸がん術後のQOLを保つ肛門括約筋温存術を多く行っていることで、その治療を希望し、受診する患者が多いことが要因の一つと考えられます。主要部位別病期分類では、大腸においてStage0期が53件(28.3%)、StageI期が38件(20.3%)、StageII期が28件(15.0%)、StageIII期が34件(18.2%)、StageIV期が22件(11.8%)、その他が12件(6.4%)となっており、早期がんが高い割合を占めています。