平成30年4月1日から平成31年3月31日までの退院患者数を10歳刻みで集計しました。
退院の患者数を年齢別に見ると、60歳代が最も多く、全体の22%で、次いで70歳代（18%）、50歳代（16%）、80歳代（15%）、40歳代（14%）の順となっており、50歳代以上が71%を占めます。  

消化器外科では、大腸癌をメインに大腸領域の疾患に対応しています。特に直腸癌に対して、可能な限り永久人工肛門を造らない括約筋間直腸切除術（ISR）に積極的に取り組んでいます。手術や抗癌剤等の種類によって細かくDPC分類が異なるため、癌の手術あり症例が上記に入っていませんが、年間158件(大腸以外の癌も含む）の手術を行っています。
癌を診断するための検査入院が多く、次いで鼠径ヘルニア、直腸癌術後の化学療法入院が多くなっています。

消化器内科では、大腸ポリープの内視鏡治療と指定難病のクローン病・潰瘍性大腸炎を中心に診療を行っています。
大腸ポリープの内視鏡治療は、可能な限り外来で治療を行いますので、入院となる症例は大きなポリープや複数のポリープがある症例に限られます。そのため、平均在院日数は長めになっています。
クローン病、潰瘍性大腸炎は生物学的製剤（ヒュミラ皮下注・レミケード注等）の登場により、外来で病状コントロール出来る症例が増え、平均在院日数は減少傾向にあります。

大腸・肛門リハビリテーション科では、大腸肛門機能障害を伴う各種疾患の治療や、大腸癌や肛門疾患術後の直腸肛門機能回復のためのリハビリテーションを行っていますので、入院日数が長い傾向にあります。

泌尿器科は外来診療を基本としています。
入院症例は前立腺癌の診断検査（針生検）と尿道脱です。※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約 

5大癌である胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者数（平成30年度退院された方）について、初発・再発に分けて集計しました。 UICC病期分類とは、国際対がん連合（UICC）によって定められた、①原発巣の大きさ（T)、②所属リンパ節への転移状況（N)、③遠隔転移（M)の3つの要素によって、癌を0期（早期）から4期の4病期（ステージ）に分類したものです。
癌取扱い規約とは、日本独自の病期分類で、UICCと同じくTNMの3つの要素によって、4病期（ステージ）に分類したものです。
当院は大腸肛門病の専門病院ですので、大腸癌をメインに治療を行っています。
初発大腸癌の病期分類別では、ステージⅡ期が最も多く44件（45.8％）、次いでステージⅠ期が27件（28.1％）、ステージⅢ期14件（14.6％）、ステージ Ⅳ期11件（11.5％）となっています。ステージ不明分は、検査入院症例です。
大腸癌の部位別では、直腸癌が最も多く、これは当院が、大腸癌術後のQOL（生活の質）を保つことを目的とし、下部直腸癌に対する自然肛門温存術を行っていることも要因の一つと考えます。
また当院では、大腸癌の予防啓発活動として、大腸癌の検診に力を入れています。そのため、ステージⅠ以下の早期癌も多いのが特徴で、これらに対しては、内視鏡治療を主体として行っています。（ステージ0は集計対象外のため、上記には含まれません）
再発とは、当院・他院を問わず初回（一連の）治療が完了した後に当院にて診察した場合や、がん寛解後に再発・再燃または新たな遠隔転移を来した場合を指します。再発246件は入院化学療法を含みます。※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。

市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人が発症した肺炎です。
※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。

脳梗塞は脳への血管が詰まったり狭くなることで脳に血液が送られないことで起こります。
※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。

消化器外科では大腸癌の手術をメインに行っています。身体的負担が少ない腹腔鏡を用いた手術が増加傾向にあります。また術前に見つかった大腸ポリープの切除も行います。大腸癌の手術は、癌の状態に応じて複数の術式より選択して行います。それらを合計すると、年間143 件（結腸癌74件、直腸癌69件）の手術を行っています。
直腸癌手術においては可能な限り永久人工肛門を造らず治療する括約筋間直腸切除術（ISR）を行っていますが、難易度が高く、吻合部がしっかりつながる迄一時的に人工肛門を作ることがあります。この一時的人工肛門の閉鎖術も上位に入っています。　良性疾患では鼠径ヘルニアの手術が多いです。

消化器内科では、2018年度実績で年間9746件の内視鏡検査（全大腸7844件・S状結腸1902件）を行っています。当科手術は小腸・大腸の疾患に対する内視鏡治療がメインです。最も多いのは大腸ポリープや大腸腺腫に対するポリープ粘膜切除術で、次いで早期大腸癌に対する大腸粘膜下層剥離術となっています。大腸憩室出血やクローン病等による腸管狭窄に対しても、内視鏡治療を行っています。

大腸・肛門リハビリテーション科の手術は、直腸脱手術が上位を占めます。次いで便失禁や難治性の疼痛に対し、仙骨神経や脊髄に刺激を与えることで症状を軽減する装置を埋め込む手術も行っています。術後の管理やリハビリテーションが必要な場合は、入院期間が長くなることも有ります。
当科で扱う疾患は、年齢が上がるにつれて増加する疾患（直腸脱や肛門括約不全、排便障害等）を治療対象としていますので、患者の平均年齢が高くなっています。※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。

泌尿器科は外来診療がメインのため、手術症例は少ないです。※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。

手術や処置による合併症を起こさないよう細心の注意を払い、万が一発生した場合でも改善に向けて最大限努力しております。
※患者数が１０未満の場合は「‐（ハイフン）」で表示しています。