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疾患情報

大腸肛門機能科

消散性直腸肛門痛 (Proctalgia Fugax)

おしりの痛み ・・・突然起こり、あっという間になくなる激しい痛み(消散性直腸肛門痛)
 
世の中には不思議な病気があるもので、「消散性直腸肛門痛」という病気もその一つです。

この病気の特徴は、

1.突然、予告なしに直腸や肛門が痛む
  痛みの現われ方は不規則で、昼夜の区別はありませんが、夜間に多いです。
  痛みは突然現われ、突然消えてしまいます。
  痛む時間は数秒から十数分におよび、まちまちです。
 
2.痛みはものすごく強く、ひどく苦しい

  痛みは「ズキズキ痛む」「かじり取るような痛み」「ヤットコでねじられるような痛み」など、ひどいものです。
  激しい痛みに対して、患者さんご自身で早くおさまるようにいろいろ工夫しておられますが、それが効果があるかどうかははっきりしません。
 
3.痛む場所はいつも同じで、肛門の奥の直腸である
  この痛みの原因については今まで世界中でいろいろ発表されてきましたが、何が痛むのか分からず、筋肉や骨などとも言われてきましたが、どうもはっきりしませんでした(参考論文1)。
 
 
4.痛みの原因を発見!

  ところが実は、痛みのすぐそばには仙骨神経が通っており、こういった患者さん68名を診察したところ55名の方に、その仙骨神経に沿って、押さえると痛い所(圧痛)があることが分かりました。患者さんに「いつも痛むのはここですか?」と尋ねると、「はい、そこが痛みます。痛みの性質も全く同じです。」と答えられます。
  そこで、この病気は今まで言われてきたような、原因がはっきりしないものではなく、仙骨神経の痛みであることが分かり、論文でも発表してきました(参考論文2)。
 

5.治療法
 この痛みに対して治療法がないと言われてきましたが、当院では神経の炎症を回復するビタミン剤とブロック注射(痛みをとる局所麻酔薬の注射)を行うことによって、完全に痛みがなくなった方が65%、痛みの程度が軽くなった方が25%と、実に90%の方に効果があることが分かりました。これによっても、この痛みが仙骨神経の痛みであることが分かります。(参考論文2)
  
 
 このような痛みのある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

    →
医療相談フォーム (左の文字をクリックすると、フォームが開きます)


 また痛みの他にもいろいろな症状が伴っている方も多いのではないかと思います。
「消散性直腸肛門痛」に近い病気である神経因性骨盤臓器症候群(NIS)の項目も、ぜひお読み下さい。
 
    → 神経因性骨盤臓器症候群(NIS)のページ (左の文字をクリックすると、フォームが開きます)

  
  
参考論文
1.高野正博ほか:消散性肛門直腸痛(Proctalgia Fugax)-とくにその成因の解明について-.日本大腸肛門病会誌 40380-385,1987.
2.Takano M Proctalgia Fugax: Caused By Pudendal Neuropathy?. Dis Colon Rectum 48: 114-120, 2005.