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疾患情報

消化器内科

大腸ポリープ

大腸ポリープの原因

大腸ポリープは大腸粘膜の表面の細胞が異常に増殖してできるものです。大腸ポリープができるおもな原因として遺伝子の異常があります。大腸がんの発生には、複数のがんに関連した遺伝子の異常が関係しています。図に示すように、正常の細胞から腺腫が発生し、さらにがんへと発育進展していくのにAPC遺伝子、K-ras遺伝子、P53遺伝子などの異常が関与しています。これは、大腸がんの他段階発がん説といわれています。その他に腺腫を経ないで正常の細胞からがんが発生する場合もあります(これをデ・ノボがん説といいます)。デ・ノボとはラテン語で最初からというような意味があります。デ・ノボがんでは、K-ras遺伝子に異常が無いことも多く、現在遺伝子の研究が行われています。 

また、大腸がんの中には高率に家族内に発生するものもあります。代表的なものは家族性腺腫性ポリポーシスという疾患で,常染色体優性遺伝で伝えられ,APC遺伝子というがん抑制遺伝子の異常で発生することがわかっています。他にガードナー症候群(家族性腺腫性ポリポーシスに頭や顎の骨の変化を伴ったもの),遺伝性非ポリポーシス大腸癌,ポエッツ-イェガース症候群(消化管ポリープに皮膚や粘膜の色素沈着を伴ったもの)なども遺伝子の異常を伴います。 

最近では、メタボリック症候群とポリープの発生についても研究が行われています。肥満者が腺腫性ポリープの発生が有意に高いことが報告されています。