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疾患情報

消化器内科

大腸ポリープ

大腸ポリープのがん化
ポリープのなかでも腺腫性ポリープはポリープ全体の約80%を占めています。この腺腫性ポリープはそのまま放置しているとがん化する可能性があるといわれます。「ポリープのがん化」というより「腺腫のがん化(アデノーマ・カルチノーマ・シークエンス発がん説)」の方が正しい考え方です。腺腫は、いわば大腸がんの「芽」のようなものです。腺腫の中にがんが合併している割合をみても、大きいものほどがんになりやすい傾向にあります。このことは、高野病院で治療した18,000個のポリープの内訳をみてもいえることです。

最近では5mm未満のポリープは積極的な治療は行わず経過観察とする考えが主流です。しかし、わずかながら5mm未満の微小がんもみられますが(0.5%)、表面の発赤、びらん、陥凹の有無で微小がんと診断されます。微小がんを除けば、6mm以上の腺腫が治療の対象になります。

腺腫性ポリープを放置しているとどうなるか?発見されたポリープを治療せず、長期間観察した研究はほとんど行われていません。発見したポリープを何もせず放置しておくことは倫理的に許されないのがわが国の現状です。
私たちは次のような患者(Aさん)を経験しました。5mmのポリープが発見されましたが、Aさんの都合で5年程放置されていました。5年後20mmに大きくなっており、がん化していました。この1例からも、発見されたポリープは放置せず、早めに治療した方がよいといえるでしょう。

前がん状態である腺腫性ポリープを摘除することにより大腸がんの発生を予防できるといえます。