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疾患情報

消化器外科

人工肛門(ストーマ)

ストーマ Q&A
これまでストーマについて寄せられた質問の中から多くの方の参考になるようなものを抜粋してQ&A形式でご紹介致します。

Question

 
高齢者のストーマ造設
最新の情報
ストーマ造設後の注意
使用後の袋と内容物の処理 
ストーマ周囲のかぶれ 
装具の密着
便の臭い対策 
ガスを減らす方法
ストーマの高さと適切な装具 
ストーマの種類と排便の性状の違い
洗腸療法を行うことによる弊害 
肛門からの粘液のもれ
オストメイトに対する社会保障 
下痢のときの食事

 
Q.80歳でストーマを造設しました。身寄りがおらず、退院後はストーマの処置が充分にできるかと心配しています。また、老人ホームには入所できますか。

A.

●高齢者のストーマケアについて
最近は70歳、80歳と高齢になってからストーマを造設する例が多くなっています。年齢が高くなってから手術を受けることは、一般的に言っても負担が大きく、体力の回復は若い時よりずっと遅くなります。新しい排泄処理の方法を覚え、ストーマに順応するまで多少時間を要しますが、焦らずに基本を繰り返し覚えることが大切です。

●身のまわりのことがどれだけできるか
毎日の生活の中で、身の回りのことが自立しているか、少し介助を要するか、あるいはほとんど誰かの介助を要するかによりストーマ管理の方法は異なってきます。
排泄の処理は誰もが「他人の世話になりたくない」と願っていることです。なるべく自分でやるように努力していただきたと思います。やむなく、手が不自由だったり、ストーマが見えない時には補助(介助)の必要があります。
それぞれの能力にあった最適なストーマの方法を見つけて、独力で排泄の始末が出来るように目標を持ってもいただきたいと思います。

老人ホームの入所の件は、現在入院中の病院で在宅支援も考慮に入れて検討していただいた方が良いと思います。

 

 


Q.大腸がんの手術を受けました。半年前から1年間人工肛門を使用しなければいけません。最新の人工肛門の情報を教えて下さい。

A. 消化器人工肛門は期間によって永久的人工肛門と一時的人工肛門に分類されます。以前は、一時的人工肛門はいずれ人工肛門を閉鎖するため余り重視されていませんでした。しかし、最近では、一時的であっても、オストメイト(人工肛門造設者)が人工肛門造設前と変わらない生活に戻ることを目標に手術前から退院後までを考えていくように変わってきました。特に、装具の発達もめざましく、いわゆるストーマ用品の種類は何百にも及びストーマの装具を的確に選択することでより快適な生活を送ることができます。人工肛門で生活をされる期間が一時的であっても退院後は手術をされた病院のストーマ外来などで色々と相談されて下さい。
 

 


Q.家族が人工肛門を造設します。周囲の者は何に気をつけたらよいのでしょうか。また、本人にとって、どのくらいの制約が出てくるのでしょうか。例えば、水泳などは続けられるでしょうか。

A. 人工肛門(ストーマ)とは、腸管を皮膚面に出して、その内容物をその場所から排泄するようにつくられたものです。

ストーマの特殊性は、
1.排泄物をためる直腸膨大部のような袋がない
2.排泄物をコントロールする括約筋がない
3.従って、排泄物は不意に出る
4.排泄物は運動や食事によって、質状や量が変化し、心理的変動によっても変化する
5.ストーマとは生涯の付き合いとなる

以上のように、ストーマとの共存には色々な今まで経験しなかった不便や障害があり、それらの問題を解決するための創意と工夫、試行錯誤、勇気、積極性が必要となってきます。
また、オストメイト(ストーマ保有者)が社会復帰するためにはオストメイト自身の努力と周囲の人々の理解と協力が必要です。社会復帰の究極の目的は、障害者であるオストメイトの自立であり、障害者であるという偏見を捨てて、自分の人権を取り戻すのが目的です。

一般に、障害者は消極的立場をとりがちです。家庭では特別扱いをせず、明るく楽しい環境作りが必要です。自分でストーマの管理ができ、ストーマと仲良く付き合えるようになると、手術前と同様に生活を楽しむことができるようになります。お尋ねの水泳も可能です。

患者会(オストメイトの集い)のおすすめ
日本オストミー協会本部(東京都港区浜松1-1-6-204)お問い合わせ下さい。また、患者会がある病院もありますので手術を受けられた病院にお尋ね下さい。
ストーマ保有者の先輩であり、体験者である人たちとの交流は悩みや処置についても良きアドバイスが得られます。

 

 

Q.人工肛門の袋はトイレに流せるのでしょうか。使用済み袋を回収するサービス会社はありますか。また、病院ではどう処理されているのでしょうか?内容物を固める薬(油を固める薬があるように)はありますか?

A. 人工肛門を造設した後、入院中に、社会復帰された後の日常生活に困らないように学んで戴きます。人工肛門の装具は袋の部分がビニール、お腹に貼る部分は皮膚保護材と言いますが、水分を含むと膨張するためトイレに流すことはできません。
処理の仕方は、袋の中の便はトイレに流し、ビニール袋は小さく畳んで紙にくるむか、袋に入れて汚物缶に入れます。その後の処理は一般のゴミと同じ扱いになります。人工肛門の装具も、家庭でのオムツや生理用品等と同じとお考え下さい。家庭でも外出された時も同様に考えて戴いたら良いと思います。ですから、人工肛門の使用済み袋を回収するサービス会社はありません。

現在、数多い装具の中で、1種類だけ水に流せるものがあります。ただし、値段が1枚800円と高価です。現在まだ人工肛門の装具が保険適用になっていないため、1日に何回も使い捨てはできない現状です。

内容物を固めるものには、高分子吸収剤(水分を吸収・凝固しながら臭いも吸収)というものがあります。スペンコフレークス(顆粒)170g。マンソン社3300円(税別)Aキャッチ(シート状)100枚Aパック社1800円(税別)です。

 

 


Q.ストーマ周囲がかぶれており、そのために一日何回も装具がもれます。どうしたらいいでしょうか?

A. 便や腸管粘液などの排泄物がストーマ周囲に付着すると皮膚障害を起こしやすい状況となります。
パウチを大きく切りすぎていないか、装具が合っているか、装具交換の間隔が適切かなど色々な予防対策をとることで皮膚障害を改善させることができます。かぶれが生じてしまった時のケアとして、基本的には皮膚保護材をストーマ周囲に貼って、排泄物が付着しないようなケアをすることで、かぶれは改善します。
かぶれが改善しない時は、ストーマを造設された病院にご相談ください。もし、その病院でストーマケアができない場合は、ストーマ外来のある病院へご相談ください。
 

 


Q.ストーマの横にしわがあり、装具が密着しません。どうしたらいいでしょうか?

A. ストーマの形状(高さ・形)に問題がなく、しわだけであれば、皮膚保護と粘着を補強するペーストやイーキンシールをフランジの裏に付けて貼ることもあります。また、状況によってはフランジが凸型のもの(コンベックス内蔵)を使用することで、ストーマの周囲を押さえてストーマを突出させ、排泄物のもぐりを防ぎ、より密着させることができます。
改善しない場合は、病院へ相談ください。
 

 


Q.周りの人から便の臭いが臭いと言われます。対策などありますか?

A. 臭いの原因となりやすい食物を摂りすぎないように注意することが必要です。また、便秘をすると臭いが強くなりますので、便秘をしないように注意してください。
その他、対策として消臭剤の使用をお勧めします。活性炭を袋の中に入れるものや、活性炭のシートを袋の上から当てるもの、活性炭付きのガス抜きフィルター、消臭スプレーなどがあります。また、パウチの開口部や装着部から便がもれないように、開口部はきれいに拭き取る、ストーマサイズにあった装具を選ぶことが大切です。便を出さない限り、あまり周囲には臭いはもれないと思います。
 

 


Q.ガスが多く、いつも袋がパンパンに膨れます。ガスを減らす方法はありますか?

A. .ガスが多くなる原因は空気を飲み込むことですが、ガスの発生しやすい食物を摂りすぎないように注意することが必要です。 また、パウチに装着する活性炭付きのガス抜きフィルターをつけるのも有効です。ガスは活性炭を通して袋の外に出ますので、臭いはほとんど気になりません。 ガスの産生を減らす薬もありますので、専門病院にご相談ください。
 

 


Q.ストーマの高さが低く、便がもれます。ストーマが低い場合の適切な装具を教えてください。

A. ストーマの高さが皮膚と同じ高さ、または陥没している場合、一般的には凸面の装具(コンベックス内蔵)を使います。ストーマサイズより5~6㎜大きな内径を選びます。(プラスチック部分でストーマを傷つけないため)また、ベルトを使用すると更に装具を密着させることができます。但し、ストーマの位置によっては、ベルトを使用できない場合もあります。
 

 


Q.ストーマの種類と排便の性状の違いについて教えてください。

A. 低位前方切除では、一時的にストーマを造設される場合があります。以前は横行結腸でストーマを造設していましたが、最近では回腸に造設されることが多くなりました。横行結腸ストーマの便は、粥状あるいは、半流動の軟便です。回腸の場合は、水分の多い便となります。また、消化酵素が含まれているため、便が皮膚に接触すると、かぶれなど皮膚障害が発生しやすくなります。したがって、手術直後からの適切な装具の選択とスキンケアが重要です。
ハルトマンやマイルズ式手術では、S状結腸でストーマが造られることが多いです。術直後の排便は不規則で、術後2ヶ月くらい経過すると排泄パターンが決まってくることが多いです。排泄される便はほぼ軟便~固形便と、手術前と同様の排便が得られるようになります。
 

 


Q.洗腸療法(浣腸排便法)を行うことによる弊害はありますか?

A. 通常指導された通りの洗腸の方法を守っていれば一般的に洗腸による影響はほとんどないと言われています。
しかし、最近のストーマケアの傾向として、洗腸より自然排便を指導している施設が多くなってきています。その理由の一つに、洗腸の場合、毎日腸に刺激を与えることになるので、全ての人に全く問題ないとは断言できないからです。また、加齢とともに視力障害や体力低下が起き、また手先が不自由になると洗腸に適応できなくなるからです。
当院でも洗腸を指導することがありますが、旅行・外出・仕事の時だけ、というようにライフスタイルに合わせて使い分けている方が多いようです。
 

 


Q.回腸ストーマを造設しましたが、残っている腸からの粘液が多く、肛門から粘液が頻回にもれて肛門がかぶれています。改善策はありますか?

A. マイルズ式以外の手術では、ストーマから肛門までの間の腸は残っていますので、当然、粘液や腸液は肛門から出てきます。便がもれないよう、肛門をしめる訓練をすることで感覚を取り戻し改善することも多いようです。どうしても改善しない時には、アナルプラグといって肛門用のタンポンのような器具も開発されましたので、主治医に相談してみてはどうでしょうか。
 

 


Q.オストメイトに対する社会保障について教えてください。

A. 永久的人工肛門保有者は身体障害者福祉法に基づいて身体障害者手帳の交付を受ける資格があり様々な福祉サービスが受けるられるようになっています。
1.障害年金 
2.ストーマ装具の給付、医療費控除 
3.その他(携帯電話使用量の割引など)障害者手帳はお住まいの地域の市町村役所の障害福祉課や社会福祉事務所にて申請します。
 

 


Q.人工肛門をつけていますが、しばしば下痢をするので困っています。下痢対策や下痢のときの食事、下痢を予防する食事について教えてください。また、人工肛門をつけている場合、下痢止めを飲んでもよいのでしょうか。

A. 下痢とは、液状またはそれに近い便がくり返して出てくることです。原因には、消化しにくい食品の多量摂取、胃酸不足、腸液の分泌過多、腸の運動機能亢進などがあります。 下痢便には、膵液・胆汁などの消化酵素が活性を保ったまま出てきます。そのため、下痢便の排泄によって、もともと弱酸性の皮膚がアルカリ性の消化酵素に触れ、炎症を起こしてただれます。括約筋をもたない人工肛門保持者にとって、下痢は悩みの一つです。
ひどい下痢をした場合には、心身ともに安静にし、電解質のバランスをとるためにスポーツドリンクを飲んだり、消化のよい食物をほどほどに食べ、水分の補給も忘れないようにします。常時下痢ぎみの人、右側に人工肛門をもつ人は医師に相談のうえ、下痢止めの内服薬を使用するのも一つの方法です。