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疾患情報

肛門科

痔・肛門疾患

痔瘻(痔ろう アナ痔)

 

痔瘻とは

 肛門周囲膿瘍が破れて(切開して)膿の管ができた状態です。肛門の周りの小さな穴から膿が出たり、湿疹ができたり、かゆみや痛みを伴うことがあります。原則として自然治癒は少なく、治すには手術が必要となります。


痔瘻の手術


手術には大きく分けて3つの方法があります。痔瘻の瘻管(膿の管)がどこに存在するか、深さがどうかによって選択されます。
 高野病院では術後の肛門機能の温存を重視し、筋肉の障害の少ない括約筋温存術を第1選択としています。大腸肛門機能診療センターと連携し術前には直腸肛門機能検査を行い、術後も肛門機能の定期検査を行っています。問題となる再発率についても痔瘻の入り口の閉鎖方法を工夫し良好な成績を誇ります。

 

【痔瘻の術式】
1)括約筋温存術(くりぬき法):肛門から皮膚へつながる道(瘻管)のみをくりぬく方法です。括約筋を残して肛門の機能に障害を与えないようにします。主に前・側方の低位筋間痔瘻に行われる。3型・4型の深い痔瘻には括約筋の側方からアプローチを行い括約筋の損傷をできるだけ少なくする術式を行っています。

2)開放術:主に後方の低位筋間痔瘻に行われる、最も再発が少ない。瘻管を切開(切除)し、括約筋を一部切ることになります。

3)シートン法:括約筋の障害を少なくする目的で行う術式で瘻管にゴムやチューブを通して、ゴム輪を締める力を利用して瘻管を徐々に切開します。肛門のきずが固まりながら切れていくので肛門の変形が少ないとされています。治癒までに時間がかかるのが欠点です。


【括約筋温存術 低位筋間痔瘻】 


【開放術】
 

【括約筋温存術 括約筋側方アプローチ法】
 


【シートン法 浅い痔瘻】 


【シートン法 深い痔瘻】