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DPCを用いた病院指標(2020年度)

  医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)


年齢階級別退院患者数  ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 50 176 341 455 492 592 544 194 21

2020年4月1日から2021年3月31日までの一般病棟の退院患者数2,865人を10歳刻みで集計しました。前年と比較すると、724人(79.8%)減少しておりコロナ禍による外来受診控の影響が現れています。特に、60歳代以上の高齢者の入院が減少していました。
退院患者を年齢別に見ると、60歳代が最も多く、全体の20.7%で、次いで70歳代(19%)、50歳代(17.2%)、40歳代(15.9%)、30歳代(11.9%)の順となっており、50歳代以上が64.3%を占めます。
各科の年齢別特徴をみると、肛門外科では30歳代・40歳代・50歳代がほぼ同じ割合で多く、全体の54%を占めます。消化器外科では60歳代・70歳代が多く、全体の55%になります。消化器内科は、60歳代・70歳代・50歳代・40歳代の順になっていますが、16~24%の範囲で殆ど差はありません。大腸肛門リハビリテーション科は、扱う疾患の特性から70歳代以上が70%以上を占めます。
※患者数が10未満の場合は「‐(ハイフン)」で表示しています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)   ファイルをダウンロード

 

肛門外科

DPCコード
DPC名称 
患者数
平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
平均年齢
患者用パス 
060241xx97xxxx 痔核 手術有り 508 10.24 5.64 0.2 52.03  
060235xx97xxxx 痔瘻 手術有り 259 13.86 5.98 0.39 42.44  
060230xx97xx0x 肛門周囲膿瘍 手術有り 89 3.87 7.4 0 39.7  
060220xx97xxxx 直腸粘膜脱 手術有り 78 14.72 9.23 0 55.17  
060260xx97xxxx 裂肛、肛門狭窄 手術有り 44 11.77 7.26 0 50.52  

肛門外科では、肛門領域の疾患に幅広く対応しています。痔核・痔瘻の症例が大半ですが、肛門周囲膿瘍や直腸粘膜脱の症例も多くあります。前年と比較すると、痔核の手術数が増加し(118%)、直腸粘膜脱の手術数が減少(53%)していました。診断・治療が難しい深部痔瘻、再発痔瘻やクローン病に合併した難治性痔瘻の症例では、治療日数が長期化することも珍しくなく、平均在院日数が比較的長くなっています。

 

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ切除術あり(副傷病名なし) 867 3.6 2.66 0 60.73  
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 25 9.64 7.74 0 63.68  
060180xx99x0xx クローン病等 手術なし 16 12.5 8.39 0 49.31  
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 16 12.44 9.08 0 63.5  
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 14 10.86 8.83 0 68.57  

消化器内科では、大腸ポリープの内視鏡治療を中心に行っています。前年と比較すると、内視鏡的大腸ポリープ切除有りが減少(77%)しています。大腸ポリープの内視鏡治療は、可能な限り外来で治療を行うため、入院となる症例は大きなポリープや複数のポリープがある症例に限られます。そのため、平均在院日数は長めになっています。
クローン病・潰瘍性大腸炎は、外来での生物医学的製剤(ヒュミラ・レミケード等)を用いた病状コントロールで、入院加療に至る症例は減少しています。

 

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 手術あり 56 6.29 4.86 0 64.25  
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術あり 46 19.78 16.19 0 75.1  
060040xx99x50x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術無し 化学療法5あり 34 3 4.35 0 59.74  
060040xx99x6xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術無し 化学療法6あり 33 3.36 4.48 0 67.79  
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術無し 化学療法あり 31 3.06 4.42 0 55.1  

消化器外科では、大腸癌を中心に大腸領域の疾患に対応しています。全ての大腸癌手術を合計すると、年間127件の手術を行っています。大腸癌治療の主な特徴としては、低侵襲で術後の痛みが少なく、回復が早く、手術創も小さい腹腔鏡下手術をおこなっていることです。また、下部直腸癌の手術では、適応患者に対し、根治性をおとさず肛門を残す括約筋間直腸切除術(ISR)に積極的に実施していることです。さらに術後の直腸肛門機能回復訓練法の充実が挙げられます。 直腸癌の診断群分類は、手術や抗癌剤等の種類により細かく分かれるため、手術有りの症例が上記に入っていません。また、癌の手術だけでなく、鼠径ヘルニアの手術の症例も多く行っています。

 

大腸肛門リハビリテーション科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060220xx97xxxx 直腸脱、肛門脱 手術あり 26 20.92 9.23 7.69 82.92  
060230xx99xxxx 肛門括約筋不全 手術なし 11 20 10.05 9.09 64.73  
060230xx97xx0x 肛門括約筋不全 手術あり - - 7.4 - -  
060570xx99xxxx その他の消化管の障害(排便障害) 手術なし - - 7.25 - -  
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ切除術あり(副傷病名なし) - - 2.66 - -  

大腸・肛門リハビリテーション科では、直腸肛門機能不全を伴う各種疾患の治療や、大腸癌・肛門疾患術後の直腸肛門機能回復のためのリハビリテーションを行っています。扱う主な疾患は直腸脱・排便障害・肛門括約不全です。直腸肛門機能を回復するためのリハビリテーションを行っていきますので、入院日数が長い傾向にあります。また、扱う疾患の特性より平均年齢も高くなっています。
※患者数が10未満の場合は「‐(ハイフン)」で表示しています。

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数  ファイルをダウンロード

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 43 32 54 40 - 134 1 8
乳癌 - - - - - - 1 -
肺癌 - - - - - - 1 -
肝癌 - - - - - - 1 -

※ 病期分類基準 1:UICC TNM分類  2:癌取り扱い規約

UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた3つの要素、①原発巣の大きさ(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移(M)により、癌を4病期(Stage)に分類したものです。数字が大きいほど進行した状態を示します。
癌取り扱い規約とは、日本独自の病期分類で、UICCと同じくTNMの3つの要素によって、癌の進行度を4病期(Stage)に分類したものです。大腸癌の場合、UICCの病期分類と癌取り扱い規約に若干の違いがあるため、当院では治療に活用している癌取り扱い規約の病期分類で集計しています。
5大癌である胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さん(2020年度退院された方)について、初発・再発に分けて集計しました。StageⅠ~Ⅳの初発大腸癌内訳は、直腸癌が61件(うち他院からの紹介28件46%)・結腸癌66件(うち他院からの紹介21件32%)で、直腸癌の患者数・紹介率が高くなっています。初発大腸癌の病期別分類ではStage Ⅲが最も多く54件(32%)、次いでStage Ⅰ43件(25%)、Stage Ⅳ40件(24%)、Stage Ⅱ32件(19%)になっています。 当院では、大腸癌の予防啓発活動として、大腸癌の検診にも力を入れていますので、ステージⅠ以下の早期癌が多いのも特徴です。
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成人市中肺炎の重症度別患者数等   ファイルをダウンロード

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等度 - - -
重症 - - -
重症度 - - -
超重症 - - -
不明 - - -

市中肺炎とは、病院外での日常生活をしていた人が発症した肺炎です。
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脳梗塞の患者数等   ファイルをダウンロード

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 - - - -
    その他 - - - -

脳梗塞は脳への血管が詰まったり狭くなることで、脳に血液が送られないことで起こります。
※患者数が10未満の場合は「‐(ハイフン)」で表示しています。

 

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)   ファイルをダウンロード

肛門外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7434 痔核根治手術(四段階注射法を伴わない) 274 1.09 12.17 0.36 50.62  
K7461 痔瘻根治手術(単純) 146 0.99 10.55 0 40.55  
K7432 痔核手術(脱肛を含む)(硬化療法(四段階注射法)) 129 0.12 1.19 0 56.33  
K7462 痔瘻根治手術(複雑) 120 1.53 14.03 0.83 44.93  
K7435 痔核根治手術(四段階注射法を伴う) 119 1.09 10.68 0 50.97  

年間約1200件の肛門手術を行っており、肛門機能の温存を重視した手術を行っています。痔核と痔瘻の手術が多く、手術全体の約6割以上を占めます。痔核手術は、患部の状態に応じて複数の術式から最適なものを選択して行っています。痔瘻手術は、当院の専門性から複雑痔瘻の根治術症例が痔瘻手術全体の約45%を占めています。
他の診療科に比べ、患者の平均年齢は40~50才代と比較的若い傾向にあります。

                                         

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 833 0.04 2.49 0 60.84  
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 40 0 4.25 0 56.63  
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 10 1.6 5.5 0 65.3  
K735-2 小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡) - - - - -  
K719-21 腹腔鏡下結腸切除術(小範囲切除、結腸半側切除) - - - - -  
K737 直腸周囲膿瘍切開術 - - - - -  

2020年度実績で大腸内視鏡検査(8,620件(全大腸7,197件・S状結腸1,423件)を行っています。当科の手術は小腸・大腸の疾患に対する内視鏡的治療が中心です。大腸ポリープや大腸腺腫に対するポリープ・粘膜切除術を最も多く実施しています。
※患者数が10未満の場合は「‐(ハイフン)」で表示しています。

 

消化器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 50 3.34 17.5 2 65.38  
K6335 鼠径ヘルニア手術 41 1.12 4.12 0 64.34  
K7322ロ 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴うもの)(その他) 25 1.36 22.52 4 60.36  
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) 25 2 24.32 4 63.2  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 15 1.07 4.33 0 64  

消化器外科では大腸癌の手術を中心に行っています。大腸癌全体で、年間127件(肛門管~直腸癌61件・結腸癌66件)の手術を行っています。直腸癌・結腸癌ともに、当院の大腸癌治療の特徴の一つに挙げている身体的負担の少ない腹腔鏡下手術がそれぞれランクインしています。下部直腸癌の手術では、根治性をおとさず肛門を残す括約筋間直腸切除術(ISR)を行っています。良性疾患では、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術も多く行っています。

 

大腸・肛門リハビリテーション科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K742-2 腹腔鏡下直腸脱手術 16 4.06 18.88 0 83.06  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -  
K7421ロ 直腸脱手術(経会陰)(腸管切除を伴う) - - - - -  
K190-61 仙骨神経刺激装置植込術(脊髄刺激電極を留置) - - - - -  
K7421イ 直腸脱手術(経会陰)(腸管切除を伴わない) - - - - -  
K7432 痔核手術(脱肛を含む)(硬化療法(四段階注射法)) - - - - -  

大腸・肛門リハビリテーション科の手術は直腸脱手術が中心です。術後の管理やリハビリテーションが必要な場合は、入院期間が長くなることもあります。長い入院期間の間には、大腸ポリープ切除や簡単な肛門手術等も行う事があります。直腸脱は加齢に伴い増加するため、平均年齢が他疾患に比べ高くなっています。社会の高齢化が進んでいますので、今後も患者数が増加すると考えられます。

 
 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率) ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 21 0.74
異なる - -

手術や処置による合併症を起こさないよう細心の注意を払い、万が一発生した場合でも改善に向けて最大限努力しています。
※患者数が10未満の場合は「‐(ハイフン)」で表示しています。

 

更新履歴
2021.09.27
令和2年度 DPCを用いた病院指標公開