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がん診療センターClinical Oncology Center

がん診療センター

検診から終末期のケアまで 切れ目のないがんチーム医療

大腸がん撲滅のための検診による早期発見、そして、正確で安全な診断技術、根治性と機能温存による患者さんの生活の質を考慮した最新の治療技術。人間性を重視した緩和ケア。これらをプロフェッショナルなチーム医療により切れ目なく実践するのが、当院の目指すがん診療センターです。がん医療のトップランナーを目指し、新病院にてさらに成長します。

大腸肛門機能診療センターとは…

大腸肛門の「働き」を専門に診る集団です。機能障害に対する検査、診断、治療、フォローアップの集学的治療を実践しています。排便障害健康講座の開催など、市民への啓発活動にも注力しています。

  • 徹底した検診による予防
  • 最新鋭の技術と経験による診断
  • 高い技術を駆使した治療
  • 患者さんに寄り添う緩和ケア

Topics

  • 郵送での便潜血検査はできるのですか?

    A

     総合健診センターでは、郵送での大腸がん検診も行っております。12月から2月の冬期3か月間(直接持参の場合は通年)当院研究による科学的根拠をもとに実施しています。対象の方に検査容器と受診券を送り、採便したら、専用の封書を郵便ポストに投函していただきます。検診結果は約3〜5週間で通知します。一度も検診を受けたことがない方にも受診への選択肢を増やすことで受診率の向上を目指します。

    便潜血検査キット

    内視鏡検査はどんな検査ですか?

    A

     大腸カメラによる検査です。肛門から内視鏡というカメラ付の管を入れて大腸内部を映し、テレビモニターで観察する最も確実な検査方法です。当センターでは、院内のみならず内視鏡検査専用のバスで、熊本県内および近隣県を巡回し、便潜血検査と組み合わせた検診を行っております。また、ハイリスクな人をピックアップして受診を勧めるシステムにより、がんを未然に防いだり、ごく早期がんでの発見を可能にしています。

    内視鏡検査バスでの検診風景

    大腸がん検診受診率向上を実現してきたのですか?

    A

     大腸がん検診受診率の向上に貢献してきたと自負しています。九州地方では、熊本県が受診率1位になりました。合志市とは包括的連携協定によって、わずか2年で受診率40%を達成できました。今後は、効率的な検診方法を探りながら、さらなる受診率の向上を目指し、将来的には受診率50%を目標にしています。

    大腸がん検診の実績(平成28年3月末)

    便潜血検査受診者総数213万7,553人
    発見大腸がん数3,896例
    早期がん数2,796例
    早期がんの割合71.80%

    人間ドックの特色とは?

    A

     日帰りでの人間ドックを実施しています。効率よく時間を短縮するためワンフロアで実施し、エスコートナースという専任の看護師により、受診者一人ひとりに目配りしています。今までに全大腸検査を受けたことのない50歳前後の人には全大腸検査をお勧めしています。
     病気が見つかった場合も、スムーズに治療を受けられる予約システムがありますので安心して受診いただけます。

    エスコートナース

  • 腹腔鏡下手術とはどんな手術ですか?

    A

     腹腔鏡下手術は、お腹を大きく切り開かずに、おへそなど、お腹の数か所に穴を開けます。そこからカメラやメス、鉗子などの手術器具を入れ、炭酸ガスでお腹を膨らませて器具を動かすスペースを確保し、カメラが映し出すお腹の中の映像をモニターで見ながら行います。その高度な手技は当センターの外科スタッフにも受け継がれています。出血量が少なく手術の傷口が小さいため、術後の痛みが少なく、回復までの期間が短く、美容上もメリットがあります。当院は3D内視鏡システムを導入し、さらに質の高い医療を提供しています。

    3D腹腔鏡下手術

    大腸の特殊ながんに対しても手術をしていると聞きましたが?

    A

     家族性大腸腺腫症やリンチ症候群といった遺伝性大腸がんは若年発症の傾向があり、大腸がんの多発および他臓器の重複がんを高率に合併します。
     また、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)に関連するがんも近年増加しており、手術をはじめとする治療を炎症性腸疾患(IBD)センターと協力して行っています。

    遺伝性大腸がん(家族性大腸腺腫症)

    大腸がんは再発したら手術ができないのですか?

    A

     大腸がんが再発した場合、手術を諦めるように言われる場合もあると思います。当センターは再発症例に対しても積極的に根治を目指した手術に取り組んでいますので、セカンドオピニオンで来院していただくこともできます。骨盤内局所再発に対して、骨盤内を全部取るような骨盤内臓器全摘術や、お尻の骨である仙骨を合併切除する手術も実施し良好な成績を挙げています。また、大腸がんは肝臓に転移するケースが一番多いですが、そのような転移性大腸がんについても積極的に手術を行っています。症例毎にどのような治療法(手術・化学療法・放射線治療法等)が本人にとって良い治療法か検討させていただきます。

    セカンドオピニオン

  • ISRとはどんな手術ですか?

    A

     直腸がんの手術では、人工肛門をつけず、肛門を残すことは長年の悲願でした。その悲願を達成できる手術が、ISR(括約筋間直腸切除術)です。肛門に近接する直腸の手術において、肛門を残すことのできる、きわめて難易度の高い手術です。
     ISRでは、肛門を締める筋肉である肛門括約筋のうち、内側の内肛門括約筋は切除しますが、外側の外肛門括約筋を残して、腸と肛門をつなぎ、肛門の機能を残すのです。
     当院院長の山田一隆は日本で先駆的にこの手術をはじめ、2001年に当院に赴任して以来、当院でもISRを積極的に行っています。
     機能を残してがんを根治させる究極の手術が目標です。もちろん、肛門機能を残せる可能性と、がんの取り残しによる再発の予防を慎重に考慮しながら手術適応を決めています。

    手術後、 肛門機能は改善しますか?

    A

     手術で肛門は温存しても、術後に便もれ、頻便といった排便障害が出る事があります。これに対しては術前、術後における肛門機能の検査や肛門機能訓練による肛門機能の維持が重要になってきます。
     当院では、大腸肛門機能のプロフェッショナルである大腸肛門機能診療センターと連携して、排便機能障害の予防や治療に万全を期し、患者さんの手術後のQOL(生活の質)をできるだけ良好にするための努力をしています。

    直腸肛門機能検査

    肛門機能訓練の器具

  • ストーマ外来って、何ですか?

    A

     ストーマとは人工肛門のことです。がんのできた部位や、ご高齢の方で、無理に肛門機能を残すより人工肛門にした方が生活の質が良くなると判断した場合は、人工肛門となります。人工肛門は腸を腹部から出し、そこにパウチという袋を貼って便をためます。
     人工肛門になると言われた方は、最初は精神的ショックを受けられることと思いますが、人工肛門の質は向上しています。人工肛門での生活に慣れていくことが先決です。そんな時に生涯を通じて人工肛門のケアを手助けするのが、ストーマ外来の役目です。
     当センターでは、WOCナース(皮膚・排泄ケア領域認定看護師)という専門の看護師が対応しています。
     ストーマの周りがただれたり、皮膚がかゆくなったり、装具の不具合が気になったりすると、心身ともにつらくなります。
     そのような場合、在宅でのケアの状況を確認させていただき、ストーマを装着した部分の皮膚ケアや指導、日常でのストーマにまつわる悩みや不安について相談にのり、患者さんが少しでも安心して日常生活を送れるようにしています。
     他院でストーマを造設した方でも、ご相談ください。

    一時的に人工肛門になる場合もあるのですか?

    A

     直腸と肛門を吻合するISR等肛門温存手術の際には合併症、特に縫合不全を保護するため、一時的に人工肛門を造ることがあります。
     3〜6か月後に縫合部の傷が治っていることを確認して、人工肛門閉鎖を行います。
     人工肛門を使っている間は、残っている肛門の機能が衰えないよう、大腸肛門機能診療センターと連携してリハビリテーションを行っています。

    ADL(日常生活動作)訓練

  • 化学療法は、どんな治療ですか?

    A

     いわゆる抗がん剤治療です。化学療法を受けるのは手術後再発を予防するための場合とがんの進行を遅らせる場合があります。当センターはわが国や海外のガイドラインに則って治療を行っています。
     近年、大腸がんは抗がん剤が多く開発され患者さんに合った抗がん剤を選択できるようになってきました。
     抗がん剤治療が継続できるよう当センターは、薬剤師が看護師と連携して薬の安全管理や副作用への対応を行っています。
     外来化学療法はがん化学療法認定看護師という専門看護師がおり、さまざまな問題点を医師とともに解決していきます。

    外来化学療法室

    放射線治療はどんな治療ですか?

    A

     治療用の放射線を患部に当てて、がんを叩く治療で、手術と同じように患部だけを治療する局所療法です。
     大腸がんの放射線療法では根治的放射線療法、補助放射線療法、緩和的放射線療法があります。肛門管がん(扁平上皮がん)には根治的放射線療法を行い、直腸がんの術前に腫瘍量を小さくしたり術後の再発抑制を目的として補助放射線療法を行い、切除不能な進行再発大腸がんの症状緩和や延命を目的としては緩和的放射線療法を行います。当院は他院と連携して治療を行っています。

    緩和ケアは大腸がんだけですか?

    A

     大腸がんだけでなく全てのがんの患者さんを対象とした緩和ケアを行っています。熊本大学医学部附属病院緩和ケアセンターと連携し緩和ケア外来を開設し、新設の緩和ケア病棟(20床)では当院で手術を受けられた方のみならず他院からの紹介や在宅からの受け入れを行っております。
     院内連携により、排便障害や精神症状については大腸肛門機能診療センターや心療内科と連携して対応しています。緩和ケアの専門チームが生活の質向上のサポートを行います。

    緩和ケア病棟

  • 手術後の支援システムがあるのですか?

    A

     大腸がんは、手術後5年間再発がなく経過すれば、ほぼ根治したということができます。しかし、それまでの期間は、再発などを心配してストレスが溜まりますし、治療を継続している場合は、副作用の管理なども必要になります。当センターでは、そのような患者さんの経過観察を定期的に行い、心身ともにフォローアップしていきます。たとえば、通院治療を地元の病院でしたいという患者さんがいる場合などには、患者さんの地元の医療機関との連携が不可欠です。
     「私のカルテ」という、熊本県共通の「地域連携クリティカルパス」を推進しています。これは、患者さんを中心にして、自宅近くの地域のかかりつけ医と当センターが、綿密に連携をとり、医療を提供していくというシステムです。がんの病状を管理するためには、患者さんの年齢、がんの発症した部位、がんの進行度、受ける治療、ほかの持病の状態、患者さんや家族の価値観などについて、しっかり把握し、次の手を打っていくため、かかりつけ医と当センターが緊密な連携をとっています。

    「私のカルテ」

    がん相談支援センターとは、どういうところですか?

    A

     がん診療連携拠点病院に指定されている病院には、必ず設置されているがんの相談室です。患者さんやご家族のがんに関わるあらゆる相談に対応する窓口となっています。しかも、当院にかかっている方以外でも自由に相談できますので、ぜひご活用ください。
     新病院では、正面玄関を入ってすぐ右のところにあります。がんに関する情報提供はもちろん、治療に関する辛さや不安といった心理的な面に関すること、治療費など経済的なこと、仕事にまつわること、各種自治体のサービスの受け方など、あらゆることについて相談できます。当センターには、国立がん研究センターで認定された、認定がん相談員が常駐しています。

    がん相談支援センター

  • 学会や研究会でも功績のある病院なのですか?

    A

     当院は、県下、九州地方だけでなく、大腸肛門部門の分野では多くの学術的功績で全国的に知られています。当センターは数々の学会、研究会に参加しています。
     多くの全国レベル、世界レベルの大腸がんの臨床研究にも積極的に参加しています。各医師は、医学専門誌や学会などで積極的に論文の発表も行っています。

    第84回大腸癌研究会 2016年1月熊本

    ISRを全国的に広めようとしているのですか?

    A

     第84回大腸癌研究会(2016年1月)で『下部直腸がんに対するISRの適応基準と長期成績』というテーマで全国127病院全ての症例について解析し、その結果より得られた課題を明示し、今後のISRの標準化に向けた対応を明確化したことが評価され、現在、日本外科学会宿題報告として『直腸癌に対するISRの有用性』のテーマを頂き、ISR術後の直腸癌局所再発への対応と排便機能への対応という、下部直腸がんに対するISR手術の標準化へ向けた更なる研究を担っています。これは、民間病院としては画期的なことであり、当センター外科の医局員全員で取り組んでいます。

    肛門管がんの日本における治療の基準をつくっていると聞きましたが?

    A

     日本の大腸がんの研究・臨床の発展に中心的役割を果たしてきた大腸癌研究会のプロジェクト研究である『肛門管癌の病態解明とStagingに関する研究』を主導しています。この研究は国内における肛門管がんの特徴の把握、ステージ分類、治療の研究、報告を行うことで、我が国初の肛門管癌診療ガイドライン作成へとつながる大きな役割を果たすものです。
     これからも診療で経験したあらゆることを研究成果として発表し、日本、そして世界における大腸肛門疾患の治療の道しるべをつくり、患者さんに最良の医療を提供していきます。

    第87回大腸癌研究会 2017年7月三重

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